【コラム】50歳で気づいた「確定した未来」への歩み- 夢が叶っていたことに気づいていなかった私 -
コーチという「夢」が叶っていた話
「夢が叶う」という言葉を聞くと、多くの人は努力の末に目標を達成する瞬間を思い浮かべるでしょう。
しかし、私の場合は少し違いました。
50歳になってふと振り返ったとき、子供の頃から抱いていた「夢」が、いつの間にか現実になっていることに気づいたのです。
大正生まれの祖母が教えてくれたもの
1980年代、まだ小学生だった私の家には、よく親戚や知人が相談事を持ちかけてきました。
相談相手は大正生まれの祖母。
悩みを抱えて重い表情でやってきた人たちが、祖母と話した後には「ありがとうございました」と晴れやかな顔で帰っていく。
その光景を見ながら、幼い私は漠然と思っていました。
「いつか自分もあんな風に、誰かの話を聞く大人になる。」
当時「コーチング」という言葉は存在しませんでした。
でも、確実に、心の中に種が蒔かれていたのです。
頭の片隅の小さな子ども
ところが、大学を卒業した私は氷河期の就職難に直面します。家族の事情もあり、希望するキャリアを選ぶことはできませんでした。
一方で、その鬱憤を晴らすかのように、また、危機感に立ち向かうかのように転職を重ねてキャリアアップを図っていきました。
(当時は、最初に入社した会社で退職まで過ごすことを「良し」とする価値観がまだまだ主流で、「転職するなんて、人として」と言われたこともありました。)
その結果、20年余りの会社員生活(ほとんどを法務部で過ごしました)…客観的に見て「コーチング」とは何一つ関係がありません。
日々、「現実」に押し流され、「どう折り合いをつけるか」「どう解決していくか」「どう成果を出して生き残るか」に追われて生きていました。
ただ、今思えば、いつも頭の片隅には「誰かの話を聞く大人になる。」という子どもの私が、不貞腐れた表情で胡座をかいてしぶとく居座っていました。(笑)
しかし、現実がこんな状態では、「誰かの話を聞く大人になる。」を「夢」として認識できる状態ではありません。頭の中の子どもの私は、ますます態度が悪くなり、一升瓶を枕に不貞寝する勢いです。(笑)
本当にしぶとかった頭の片隅の小さな子ども
ただ、頭の中の子どもの私は本当にしぶとい存在でした。
大学時代に心理学を専攻していた私は、法務部で「そんなの何の役に立つの」と明らかに白い目で見られながら(苦笑)、コーチングの存在を知り、スクール(コーチ・エィ/マネージャー向けの講座/なお、マネージャーになったのはその6年後でした(笑))で学び始めました。
さらに、知り合ったばかりの人が教えてくれたコミュニケーション心理学を真剣に学びました。
現実に追われて「ずっと法務部で定年まで過ごす方向性」を模索しながら、無意識に「コーチになった時の武器」を身につけていく私。
「夢」を「夢」と意識しないまま、まるで「確定した未来」に進んでいくかのように学びを深める私。
今振り返ると、とても不思議な時間を過ごしていました。
「夢が叶った人」という自己認識がやっと芽生える
結果的に、フリーランスのコーチとして独立して早5年の現在。
(びっくりされますが、5年前に「GALLUP認定ストレングスコーチ」の資格を取って実績0でいきなり独り立ちしました。(笑))
コーチとしての実績も積み重なり、現在登録しているコーチング会社(2年前に登録)で記入いただいたクライアントさんからの評価数は199件。あと1件で200件に到達します。
今思えば、登録した時点でも十分に「誰かの話を聞く大人になる、という夢が叶った」と言っていいのではないか?と思うのですが、最近やっと「これは、叶ったと言ってもいいのでは?」と思い始めました次第です。
つまり、5年ほど、叶ったことに気づいていませんでした。
(200件の到達が見えるところまで「私はプロと言えるのか?」を保守的に見積り続ける…変なところで自分に対して厳しいところが出てしまいます。)
さすがに5年も経ったので、法務部時代の知人も、私を「コーチ」と認識してくれるでしょう。(笑)
次なる挑戦への道筋
200件という通過点を前に、私には次の目標が見えています。
国際資格であるICF(国際コーチング連盟)の認定資格、ACC、PCC、MCCの取得です。ACCは今年度中に取得するつもりです。
また、「もっと活動の幅を広げていきたい」とも思っています。
チャレンジを恐れていては、貢献にはつながりません。
夢を忘れてしまった人たちへ
実は私は、就職氷河期だったこともあり、
・夢ではご飯は食べられない。夢、とか寝言?
・この現実の中でいかに生き残るか。欲しい仕事は奪い取る。
・転職してお給料を上げないと!
を地でいく考え方を持っていました。
そんな超現実主義(行き過ぎ(苦笑))の私も、気づけば完全に「夢」へとジョブチェンジ。
もしかすると、あなたも気づいていないだけで、すでに夢に向かって歩んでいるのかもしれません。
私の会社員としてのキャリアは、コーチングとはほぼ無縁でした。
しかし、遠回りに見える道も、一見関係のない経験も、今となっては「すべて有益」です。
ぜひ、あなたも、もし、なにか思い残していることがあれば、小さなところから始めてみてください。
気がつけば、あなたもその「夢」のど真ん中を歩いていることになるのかもしれません。
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